1 / 10 BREAD JOURNEY 05
港町へ来た、金色のしずく
ぼくは、オリーブの実から生まれた油のひとしずく。イタリアの港町、ジェノヴァのパン屋へやってきました。窓の向こうには海の光。台の上には、丸い山のパンではなく、平らに広がった生地があります。「きみは、どんなパンになるの?」。生地は、ふっくらした肩を揺らしたように見えました。名前はフォカッチャ。ぼくは混ざったり、表面で光ったりして、その香りを手伝います。小麦粉と水、発酵の力に、土地で親しまれるオリーブ油。港の朝を満たす香りの旅が、ここから始まります。
もっと知りたい!
この本では、油を語り手にした想像の旅を描きます。ジェノヴァのフォカッチャを中心に、土地ごとの違いも訪ねます。
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